照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

ローマ カラヴァッジョを訪ねて

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ボルゲーゼ公園内の池

ボルゲーゼ美術館にはカラヴァッジョの作品が、6点ほど展示されていた。日本に貸し出されてきた折に見た作品も、何点か含まれている。私の目的はカラヴァッジョの作品なので、これらの前で時間の大部分を過ごした。ボルゲーゼ美術館は、鑑賞時間を2時間に制限しているが、椅子もないため座って休むこともままならず、時間的には十分であった。

広いボルゲーゼ公園内を歩いて、次に向かったのは、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会で、目的は、カラヴァッジョの絵だ。教会内に入ると、丁度ミサの最中であった。終わるまで、後ろの椅子に座って待っていた。賛美歌を聞いていると、神父様は歌も上手だと感心してしまう。声もいい。ローマでは、皆がこの調子なのだろうか。

ミサが済んで、人々が動き出す。私も前に進む。カラヴァッジョの絵ばかりか、色々な画家による絵がある。祭壇には、ジョットのような絵もある。入場券が必要な教会や美術館と違って、作者と作品名のプレートはないがどれも素晴らしい。絵はやはり、置くに相応しい場所にあってこそ活きると改めて感じた。

ところでこの教会は、かなりお勧めだ。採光も十分考慮された作りになっている。ベンチに座っていると、礼拝堂に比べてずいぶん明るいので見上げれば、上から陽が差し込んでいた。薄暗さは、荘厳さを後押しするが、明るくても、充分荘厳な雰囲気は漂っている。しばらくそのままベンチに腰掛けていたが、とても落ち着く場所で心地よくなってくる。

それにしても、カラヴァッジョの絵がなければ、訪れることのなかった場所だ。しかし、このような場所を見逃していたら、カラヴァッジョ抜きでも残念だったに違いない。これまであまり積極的には行かなかったが、教会も時間があれば訪れてみるのもいいと思う。

ともかく、ローマは凄いと唸らされる。どうしてこれまで来なかったのかと不思議な気分だ。

*お知らせ
4/28午後4時の便でフィレンツェを発つため、4/29のブログ更新は、羽田へ着いてからとなります。午後4時に羽田着なので、それ以後です。ちなみに、現在フィレンツェは、午後7:15分・7時間遅れです。