津和野その3ーお好み焼き「なにわ」と安野光雅美術館
津和野城跡見学を終えてリフト乗り場へ戻る頃には、天気もすっかり回復したが、本日はこれにて観光終了。
平日ということもあってか、観光客自体少なめだが、宿泊する人はもっと少ない感じだ。夕食に出かけた折お店の方に伺ってみると、今は出雲方面が人気ということだ。民宿もだいぶ減ったという。ポイントだけをササッと見て、移動する人が多いのかもしれない。
昔は若い女性向け雑誌で、小京都というと定番のように津和野が出てきて旅心を誘われたものだが、すっかり様変わりしてしまったようだ。そういえば、堀割りで泳ぐ鯉を眺めながらガイドさんの説明に耳を傾けていた御一行様も、皆さんかつての乙女たちであった。
トウガラシ
ツルウメモドキ 黄色
ツルウメモドキ 赤(昨年収穫した物)
ところで、夕食はお好み焼き「なにわ」へ行った。津和野でお好み焼き?とも思ったが、行って大正解であった。こちらも農家レストランということで、店内のディスプレイはご夫妻が畑で育てたものだ。
観賞用カボチャ (左右)
左と中央がほおずき 右が緑色の綿
緑色の綿
白い綿
鑑賞用のカボチャに緑色の綿は初めて目にした。昨年収穫したという綿は白で、こちらはよく見る。緑色の実は何かと聞けば、ツルウメモドキとのこと。もう少しすると、弾けて中から黄色の種子が顔を出すそうだ。赤みがったオレンジ色は知っていたが、黄色は珍しいと思ったら、この時期に取ると黄色で、もう少し後 だと赤色になるという。面白い。
採りたてツルウメモドキ 緑色が弾けると黄色(下)に
ツルウメモドキ
女将さんやご主人と話が弾み、帰る時には、観賞用カボチャとツルウメモドキを持たせて下さる。やはりここに来て良かったと、お腹も心も満足してホテルへ帰る。
中庭のススキ
安野光雅美術館(ホテルの窓から)
パンフレットとチケット
安野光雅美術館 入り口
三日目は、チェックアウトしてから、隣の安野光雅美術館(850円)へ行く。この美術館は展示作品も多く、実際期待以上であった。事前に予約した萩石見空港への乗合タクシーは、津和野駅で11時10分に待ち合わせ予定なので、それまで過ごすには丁度いい。
津和野駅
SL型水飲み場
私は、安野さん描く、柔らかくふんわりとした風景画が好きだ。空港に向かう間、タクシーの窓から周りの山々を眺めていると、この緑の濃淡は、まさしく安野さんの絵の世界だなと感じた。それにしても自然は、いったいどれほど沢山の緑色を染めだしているのだろう。
さまざまに思いを巡らせていたら、空港に到着。所要時間40分なり。乗合タクシー(2000円)の客は私一人で、申し訳ない思いだ。ちなみに、宇部山口空港から萩市内へ行く時は、乗客が6人であった。
若い頃から、いつかはと思いつつも足が向かなかった萩・津和野、原田直次郎展を機に訪ねることができて本当に良かった。観光地は、写真や映像を見て知った気になりやすいけれど、やはり自分の眼で見るとまた違った光景が広がる。いい旅であった。