照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

服の処分に迷ったらーとことん着てみる

電車の中で、衣類を処分しようと思うけど、なかなか踏ん切りがつかないと話している人の声が耳に入った。確かに、自分が愛用している物を捨てるには、ある程度の思い切りが必要だ。
 
私など、ミニマリストとまではいかないけれど、持ち物が少ない分、尚更捨て難い。うっかり捨てすぎると、 日々の着る物にも困ってしまいかねない。
 
また、新しい物を手に入れても、直ぐには処分せず、しばらく様子をみる。愛着からではなく、徹底的な活用を考えてのことだ。衣類は、狭いクローゼットに入るだけと決めているが、詰め込んではいないので、収納に余裕はある。
 
服をたくさん持っていたところで、着るのは一人。いつでも、清潔を保てるほどの、着替えがあれば充分だ。とは言うものの、いつも着たきりすずめのようではつまらない。出かけるときは、あれやこれや、少ない手持ちのありったけを、鏡の前で色々と組み合わせてみたりもする。
 
このように工夫している時間も、心がウキウキして結構楽しい。人の目にはさほど変化のない、自分だけの密かなるおしゃれだが、自分が幸せな思いで満たされれば言う事なしだ。
 
ところで、服を処分したいのにできない人は、購入しなければいいだけ。そして、流行りや人の目を気にせず、諦めがつくまでとことん着る。やがて、どことなく自分のイメージにそぐわなくなり、また回りの雰囲気ともずれてくる。その時点で新しい服を買い、それまでの物は迷わず処分する。着尽くすことで、思いも残らない。

実際そのようにして私は、1枚のお気に入りのコートを、手直ししてもらいながら、10数年着用したことがある。洋裁苦手で不器用自慢の私だが、プロに頼まず、自分で手直ししてまで着続けた服もある。

それを繰り返しているうち、捨て時が分ってきて、もう少し早く決断できるようになる。そうすれば、新しい物を適宜に追加しつつ、いつだって自分好みの、かつ時代にも合った服を着ていられるようになる。

ところで、新たに購入した服は、もったいがらず、減価償却を意識して、メインとして、普段からどんどん着た方がいい。1枚を、幾通りに着こなせるか模索しているうちに、センスも磨かれる。おしゃれ度が更にアップして、自分を表現する喜びも増す。

おしゃれは、まことに楽しい。服の処分に迷った時こそ、感度を高めるチャンスだ。