照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

擬態するカマキリ

先々週の日曜朝のラジオ番組で、擬態するカマキリという言葉が聞こえてきた。ゲストは、昆虫写真家の海野和男さんだ。これは面白そうと、そのままラジオに耳を傾けていた。

 

姿を木肌に似せたカマキリは幹に張り付いていて、蟻が下を通るのを待ち構えているそうだ。蟻たちがやってくると、一匹づつパクリと一気に食べてしまう。そうしないと、蟻は結構獰猛なので、厄介になるという。

 

もし、前を行く蟻が振り向いたとしたら、アレっという感じで消えてしまっているイメージだという。上から、一瞬のうちに襲われてしまったのでは、多分、後ろを歩いている蟻だって気づかないかもしれない。しかし、先頭を歩いている蟻が目的地に到着して、行列がだいぶ短くなったなあと感じるのだろうか。

 

それに、だいたい蟻は、個を区別しているのだろうか。もし行列している時に、前後が仲良し同士で、ふざけっこなどしてリーダーに叱られたりしたら愉快だ。それとも、地面の餌を黙々と運ぶことに集中していて、仲間意識など無いのかな。話の主役はカマキリなのに、ちょっと蟻に逸れてしまった。

 

ところで、そんなカマキリいるんだと後で画像検索してみると、確かにさまざまに擬態している。色形といい花そっくりの見事なカマキリもいる。でも、特徴ある顔と触覚が花の中に隠しきれず、ソッと覗いている感じが出ているカマキリもいて、何ともユーモラスだ。

 

人間をほっこりさせるために、こんな姿をしているんじゃないよと噛みつかれそうだが、通常見慣れたカマキリとは違って、やはり見る方としても楽しい。ランの花そのもののカマキリには、生存してゆくための知恵って、凄いなと感心するばかりだ。どのくらいの時間をかけて、今の姿になったのだろう。昆虫の世界も、なかなか興味深い。