照る葉の森から

旅や日常での出会いを、スケッチするように綴ります。それは絵であり人であり、etc・・・。その時々で心に残った事を、私の一枚として切り取ります。

雑感

映画は自分が撮るつもりになって観るのも面白そうだ

『映画を見る眼』(小栗康平・日本放送出版協会・2005年)を読んで、今更ながらではあるが、映画と原作はまったくの別物と教えられた思いであった。私はこれまでずっと、(原作がある場合だが)原作を映像化したのが映画で、両者をほぼ同様と考えていた。だが映…

香り高い花にひっそりとした野菜の花ー目黒天空庭園にて

ハマナスの花と実(右の丸い緑色)目黒天空庭園に来てみたら、今月初めに咲き出したハマナスが、まだ咲いていた。嬉しくなって鼻を近づけてみると、以前ほど香りが強くはない。次から次へと嗅いでみるが、どれも今ひとつだ。ならば、クマンバチが潜り込んでい…

親子関係はもっとあっさりが理想だー映画『海よりもまだ深く』を見て

『海よりもまだ深く』(渋谷シネパレス)を見てきた。これまで日本映画やテレビドラマにほぼまったく縁がなかった私が、役者さんに言及するのはおこがましいが、阿部寛のダメっぷりはなかなか板についていた。かつて「坂の上の雲」で秋山好古を演じた時の、凛…

漫才のようなインタビューでの受け答えに思う

三島由紀夫賞を受賞した蓮實重彦さんのインタビューでの受け答えが、まるで漫才を聞いているかのようで、一言づつが可笑しい。ツイッターで流れていたので、早速その記事を読んでみた。司会者に今のご心境はと聞かれ、"「ご心境という言葉は私の中には存在し…

今を生きるー自分が出合う全てが一期一会

一期一会って、良い言葉だなと思う。それは人だけでなく、風景でも風でも、花の香りでも、その時々に自分が出合う全てに当てはまる。自分にとっての今は一度だけ。昨日と同じように思えても、陽の光も違えば風も違う。全く同じということはない。だからこそ…

都内に牧場があった頃ー四谷軒牧場

歩き疲れて木陰のベンチで休んでいたら、同じく緑道を歩いて来た高齢の女性が、私に会釈してから横に座った。当たり障りのない話をしているうちに、ふと思いついて、この辺りはかつて畑だったのかと聞いてみた。目の前の集合住宅だけでなく周辺の戸建ても、…

見終えてからずしりと心に残る不思議な映画『バベットの晩餐会』

恵比寿ガーデンシネマで、『バベットの晩餐会』を観て外に出ると、回りの木々全てが気持ちの良い緑色に染まっているのに気づいた。来た時も同じ光景を目にしているはずなのに、時間を気にして気忙しく歩いていたため、感じる余裕がなかったのかもしれない。…

ゆったりとした休日に犬もスキップ?

街中にゆったり、のんびり感が漂っている。天気は良いし、気候は良いし、週末とも違うこの感じは連休ならではか。もちろん、連休関係無しに仕事ですって人もいるだろうけど、やはり全般的にリラックス感が溢れている。そんな街の雰囲気が影響しているのかど…

目黒天空庭園

目黒天空庭園は、首都高速大橋ジャンクションの屋上に造られた公園だ。田園都市線・池尻大橋駅から近く、朝7時から午後9時までオープンしている。いつも混雑している首都高速3号渋谷線の側とは思えないほど静かで、広々として開放感もある。大橋郵便局横のエ…

近隣住民が利用できる大学図書館は有難い

隣接区にある大学図書館で、1年有効のライブラリーカードを作ってもらった。区立図書館の共通利用カードと、住所を確認できるもの(免許証など)を持参、3cm角の証明写真に登録料1000円を添えて申請する。カードが出来上がるまで20分ほどということなので、新…

笑いっぱなしだった『最高の花婿』

映画『最高の花婿』(恵比寿ガーデンシネマ)は、人種や宗教がらみのデリケートな問題をユーモラスにさらりと描いており、最初から最後まで笑いっぱなしであった。 フランス映画だからさぞ理屈っぽいだろうと躊躇していたが、これはまったく嬉しい見込み違いで…

物は贈るのも贈られるのも苦手

私には贈答の習慣があまりないので、人に物を贈るのは苦手だ。そのため、お礼やお返しとして何かあげる場合は、紅茶にお菓子かお菓子のみ、もしくはスタバカードと決めている。逆の場合、私は基本的にお菓子を食べないのだが、それでも頂くとしたら、やはり…

偶然が重なった日

自分大学を開講した4月8日は、花まつりつまり御釈迦様の生誕の日と重なった。美術大学の抽選にもれたお知らせハガキが来たので、ではこの日からと、軽いノリでたまたま決めただけだ。だがこの日は、どうも私にとって、記念すべき日ではないかと思えてきた。…

鴨さんと散歩もまた楽し

鴨さん 何か見つけたかなせせらぎ沿いに緑道を右に左にと歩いていると、鴨がいた。これはスケッチのいい材料と写真に収めてから、しばらく後をついて歩いていた。鴨は、一見スイスイと泳いでいるように見えるが、後ろから見ると、せせらぎが浅いので、足で底…

今自分にできることー熊本を中心とした地震に思う

熊本を中心とした連日の地震に驚き、寝言のようなこと綴っていていいのだろうかと考えてしまった。今、自分にできることは何かと考えることはとても大事だ。だからといって、自分の生活を規制するまでは、やはり行き過ぎだと思えるので、これまで通りにする…

「空色の楽園」から引き継いだ問いはいつでも自分の考える基準としたい

アントニオ・タブッキの「空色の楽園」(『逆さまゲーム』・須賀敦子訳・白水社)を読み始めたら、秘書求むに応募した若い女性が、いかに自分のイメージを高めるかに心を砕く様に、つい先頃、メディアを賑わした学歴詐称問題がふと浮かんできた。今回の件では…

風景が変わりゆく前に日々せっせと歩く

日々うらうらと散歩を続ければ、都会では近頃珍しくなった純和風の家を見かけた。広い庭に囲まれたお宅は、座敷の周りがぐるっと硝子戸のある縁側になっている。晴れた日には、冬でもさぞ暖かいだろう。逆に夏は、ここで陽射しを遮ってくれるので、座敷はひ…

散歩は楽しいー豪徳寺・世田谷城址公園・羽根木公園

豪徳寺の門前及びその周辺はよく通ったが、寺社仏閣に関心の薄い私は、境内に入ったのは初めてであった。ちなみに、午前10時から午後6時まで開門している。境内には立派な三重塔もあり、よく見ると、猫も彫られている。さすが、招き猫で知られたお寺だ。中央…

私にも桜のマジック?

手前ソメイヨシノ 中央のピンク色が桃 左は山桜砧公園 ファミリーパークまだ2部咲きのソメイヨシノ穏やかな晴天となった火曜日、都立砧公園へ出かけてみた。ソメイヨシノは全般的にまだ2部咲きくらいだが、日差しに誘われて散策を楽しむ人は多かった。ファミ…

図書館はもっと利用しよう

退職する前、よく人から聞いていたのは、スポーツジムや図書館は高齢者で溢れているということであった。ジムには縁が無いので分からないが、図書館に関して言えば、まったくそんなことはない。書架に並ぶ本にさほど目新しさはなく、古めかしい本ばかりとい…

お彼岸の中日に

お彼岸の中日は、どうしてこんなに混むのだろう。先日、母の墓参りのため高速バスに乗れば、補助席まで満員の激混みで、その上高速道路はかなりの渋滞であった。行きは30分の遅れで済んだが、帰り、東京方面へは通常の倍近くかかった。私にとっては母の命日…

『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』を観て

『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』は、1作目同様なかなか楽しめた。ジュデイ・デンチは、本当に上手な女優さんだ。白髪でふくよかな体型がプラスになるような着こなしに、歳を重ねるって良いなと思わせる。殊に、オレンジ色が良く似合っている。彼…

散歩の楽しみー畑がある風景

家から10分程歩いたところには畑があって、何が実るか散歩のたび楽しみである。それより更に20分位行くと、もっと大きな畑もあって、たまには何か買うこともあった。時間がたっぷりできたので、久しぶりに足を伸ばしてみると、畑のあった場所には数十軒の真…

散歩の途中にコーヒーを

かつてよく散歩していた辺りを、久しぶりに歩いてみると、やはりいろいろ変わっている。ビヨーンと、この辺りでは唯一高く伸びたオフィスビルの一階には、チェーン店のカフェが入っていた。ちなみにここは、以前ビデオ屋さんがあったところだ。パン屋さんや…

数百年の時を経て仏師の祈りを想う

私は、散歩の折はもとより旅先でも、自発的に神社仏閣へお参りするということはほとんどない。人と一緒の時に、ついて行くぐらいで、初詣にしても、これまでの人生で数えるほどだ。また、たとえパワースポットと呼ばれる場所の近くに行くことがあっても、自…

いつもの電車をバスに変えてみて

通勤時、いつもの経路とは違ってバスを利用することがある。家から歩いて15分ほどのところにあるバス停まで行くと、会社近くまで乗り換え無しで行ける。おまけに、そこは起点なので確実に座れる。仕事が終わってから旅に出る時など、大きなバッグを持って電…

スイーツ類の高さに驚くー適当な手土産探しに悩みながら

手土産を探しにデパートへ行ってみると、価格に驚く。折りしもバレンタインデーが近く、それに合わせた品揃えのため単価が上がっているのかなとも思うが、いつものぞいているわけではないので比較もできない。小さな焼き菓子が、消費税を含め1個300円近くと…

散歩の足を伸ばせばーまるで浦島太郎のごとく

数年前になるが、散歩の足を伸ばし、二十歳前後の頃住んでいた辺りまで行ってみたことがある。だが、まるで変わってしまっていて、住んでいた場所さえおぼつかなかった。駅前を僅かに過ぎ、ややきつめの坂を登りきった角にあるアパートの2階に住んでいたのだ…

人が輝きを増すのは試練や辛い出来事を乗り越えた時だ

ツイッターで、故ダイアナ妃の微笑んでいる写真が、次の言葉と共に目に入った。 "Everyone needs to be valued. Everyone has the potential to give something back." Diana, Princess of Wales #quotes 正直なところ、結婚された時ばかりか日本へ来られた…

陽射しが待ち遠しい季節

2月に入ったが、私にとって、アレレレという早さでもなく、1月は普通に過ぎていった。もう終わってしまったと、月が変わる度思ったのは、いつ頃までであったろうか。行く季節を惜しむというよりも、どちらかといえば私は、次の季節を待ち望むことのほうが…